【歴史ロマン】80年ぶりに発見された旧日本海軍の駆逐艦「照月」

2025年7月、ソロモン諸島沖の水深約800メートルの海底で、旧日本海軍の駆逐艦「照月(てるづき)」が約80年ぶりに発見されました。この発見は、海底に眠る歴史を現代に呼び起こす、極めて貴重な出来事として注目されています。

「照月」は、秋月型駆逐艦の2番艦として1942年に竣工し、当時の日本海軍において高い対空能力を持つ最新鋭艦でした。全長約134メートル、満載排水量は約3,700トンに達し、乗員数はおよそ300名。これは「駆逐艦」としては非常に大型で、他国の軽巡洋艦に匹敵する規模です。

主な武装としては、対空・対艦兼用の長10cm連装高角砲を3基(6門)備え、また日本独自の「九三式酸素魚雷」を装備した四連装魚雷発射管を1基、さらに爆雷投射機や25mm機銃なども搭載しており、空母機動部隊の護衛を担う防空艦として非常に高い性能を持っていました。

照月は1942年12月、ガダルカナル島への輸送作戦中に米軍の魚雷艇の攻撃を受け、艦尾に魚雷2本が命中。航行不能となり、火災ののち自沈命令が出され、沈没しました。

今回の発見は、アメリカの海洋調査団体「Ocean Exploration Trust」によるもので、遠隔操作の探査機を用いた調査によって海底に沈む照月の姿が映像として記録されました。特に印象的なのは、前部砲塔などの構造が原型をとどめたまま保存されていたこと、そして艦尾が本体から約200メートル離れた場所で沈んでいたことです。これは魚雷の爆発によって艦が分断されたことを示しており、沈没時の状況を裏付ける貴重な証拠となりました。

この発見は、単なる戦争遺物の調査にとどまらず、当時の戦闘記録や艦の構造を検証する新たな機会となり、また戦没者への追悼と平和の尊さを改めて考えるきっかけにもなっています。

80年の時を経て、深海から姿を現した照月。その静かに眠る姿は、今を生きる私たちに、過去を知り、未来を見据える大切さを教えてくれているようです。

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